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 期末テストが終わり採点済みの解答用紙も返ってきた。なかなかにいい点が付いているので、これなら今学期の成績も悪いということはないだろう。問題なさそうである。
「小山、もうすぐ夏休みだな!」
 一学期、残すところあと数日。多くの学生にとって楽しみで堪らない夏休みがやってくる。
 聡太はといえば、去年はアルバイト三昧の日々を送っていた。それまでも桔平の家で過ごすことが多く、その代わりとして店の手伝いをするのがお決まりだった。つまるところ伯父の家にいる時間をいかに少なくするために尽力していたのだ。今年も変わらずそうするつもりでいる。
「海に行こうよ、海!」
「行かない」
 何故休みの日に修たちと遊びに、それも海に行かなければならないのか。更には修の祖父母の家へ行くという旅行の話にまで発展して、驚いた聡太の手からシャーペンが落ちた。
 聡太が修の家にお邪魔したのはあの日の一度きりだった。それきり修の家族ともちろん顔を合わせてなどいない。なんでも弟たちが会いたがっているので今回誘ったのだそうだが、聡太の知ったところではないし、ただのあの一回でなつかれた覚えはなかった。
 兄に限らず弟妹まで変わり者だとしたら……。
 それを考えるだけで聡太は震えた。
「どう?」
「行かない」
 一字ずつ、力を込めて拒否する。にもかかわらず修と花は諦める様子を見せず、それどころかあれにこれにと聡太の興味を引くべく様々な情報を提示する。
「な! どう?」
 席を立つ間際、最後にと今までで一番強く推す。このまま二人の勢いに押されそうになるのを踏ん張って、聡太も一際強く断った。
「だから、行かない!」
 そう、行かないと言った、はずなのに。
 夏休みに突入したある朝。聡太は修に指定された駅にいた。
「何でこんなことに……」
 自分でもわからないうちにあと一日足りなかった休日をなんとかもらい、足りないものを調達し、きちんと鞄に詰め、こうして早めに駅に着いていた。
 今から帰ってもまだ間に合うかもしれない。そうだ、帰ろう。
 そう思って出口に向かおうとしたところだった。
「小山くーん!」
 なんともいいタイミングで発見された。見ると花だけでなく修と、その兄弟みんながいる。ぱっと見は大所帯。あの中に自分も入るのかと、想像して若干頬が引きつったが、もうここまで来たのだからどうにでもなれと半ば自棄になりながら修たちと合流する。
「荷物少なくねえ?」
 言われてみると聡太の荷物は、同じ男でも修より小さい鞄に収まっている。本当に最低限の荷物しか入っていない。夏休みの課題もこの泊まりでできる量ほどを持ってきた。修だけでなく花までも尊敬の眼差しで見ているということは、二人ともあれもこれもと持ってきたのだろうと容易に察することができた。
 とにもかくにも、切符もしっかり人数分購入し、問題なく電車に乗ることができそうだ。
 三泊四日。今までとは違う、特別な夏の思い出が始まる。
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 桔平と出会ったのは梅雨の時期だった。
 その日は特に雨が酷かった。そんな天候の中、聡太は家に帰らずシャッターの下りた店の軒下で雨宿りをして時間を潰していた。伯母のいる家にはどうにも帰りたくなかったのである。
 軒下にいるとはいえ雨が吹き込んで濡れてしまう。更に時折通る車が飛沫を上げ水がかかる。すでに半分ほど濡れていた。ズボンから水が滴る。季節が夏に向かってはいるものの、このままの状態でいれば寒くなって風邪を引くのも時間の問題だ。
「おい、店の邪魔だ」
 ぬっと、傘を差して現れた男は大層機嫌の悪そうな様子を見せていた。いかにも、うっとうしいと言いたげな顔だ。彼は、聡太が今いる店の向かいにある賑やかな喫茶店の店員のようだった。喫茶店からは大きな窓を通してこちらがよく見える。
「店の前で風邪を引かれたら困るんだ」
 ずっと聡太はだんまりを決め込んでいた。視線も下に落として男を見ようとしない。
 また車が走ってきて男も濡れた。聡太だけでなく彼も風邪を引いてしまうかもしれなかった。それをわかっていてもなお何も話さなかった。
 そして男がやれやれとため息を吐いて家がどこなのか尋ねたときだった。
「……ないもん」
 ぼそっと、聡太が初めて呟いた。ついに反応があって男は喜んだ。けれどそれは束の間に終わる。
「お家なんて、ないもん……」
 雨とは別の滴が地面に落ちた。驚きで男の目が大きく開く。子供を泣かせてしまった、どうしようと頭の中はすっかりパニックを起こした。大粒の涙が止まることなく聡太の顔を濡らす。
「だー、もう! 泣かれても困るんだって!」
 男はガシガシと頭を掻いて自分が持っていた傘を聡太に持たせた。くどいほど濡れるなよと注意し、もう片方の腕をしっかりと掴む。そして車が来ないのを確認すると自分は濡れるのも構わずに聡太を引っ張って道路を横断。そのまま喫茶店を素通りして、裏の、『藤谷』と書かれた表札の住宅に入っていった。ランドセルを下ろし靴を脱がせ、聡太を抱えて浴室へ直行する。
「シャワーで我慢しろよ」
 テキパキと服も脱がせて頭からシャワーを浴びせる。温かくて気持ちがよかった。ちゃんと拭いて服を着ろと言われたので、聡太は腰にタオルを巻いてもらい用意してあったシャツを被った。大人用なので大きくてぶかぶかである。
 そうこうしていると男も素早くシャワーを済ませ、タオルとドライヤーを持ってリビングへ連れられた。洗濯機は洗面所でよく働いている。聡太は大人しくされるがままに髪をタオルで拭いてしっかりとドライヤーで乾かしてもらった。大人しいのは展開があまりにも急で頭が付いていかないからだ。
「ほら、これ飲め」
 目の前にホットミルクが出される。砂糖が入っているのかほんのり甘くて温度もちょうどいい。
「おいしい……」
 そりゃよかったと安心して男も飲み始めたところで横から嗚咽が聞こえてくる。顔を向けると再びぽろぽろと涙を流す聡太。ホットミルクの甘さと温かさがじんわり胸に沁みたのだ。
「おとうさ……っ、おかあさ……っ!」
 いよいよ本格的に泣き出してしまった。今度は鼻水を啜りながらむせび泣く。コップの中身がこぼれないよう気を付けながら男は何も言わずに聡太の頭を撫でた。

「……お、洗濯も終わったな」
 洗濯の乾燥すらも終わる頃にはすっかり涙も止まり、顔を見ればすっきりした様子がうかがえる。
「で、名前は?」
「聡太」
 乾いた自分の服を着てランドセルも背負った。玄関で靴を履き、帰る準備は万端である。
「じゃあ聡太、よく聞けよ。もうあんな場所に来るんじゃねえ」
 わかったのかわからないのか、俯いて黙った。そんな聡太を見て、ただと付け加えるように、
「おまえがまた来たいなら、今度は店に来ればいい」
 途端にバッと聡太が顔を上げる。遠慮がちにいいのか尋ねたら、来たくなければ来なくてもよいとつっけんどんに返された。
「……ありがとう、お兄ちゃん!」
 その日初めて見せた笑顔と一緒に聡太は帰っていった。
 そしてあとで知った藤谷桔平という名前の男のいる店に、布美の家に越してくるまで通い続けることになる。そんな思い出の残る梅雨ももうすぐ明けようとしていた。

「やっぱシロちゃんいいよなー」
 授業が終わって突然呟かれた。話を聞いていると、どうやらシロちゃんとは生徒にも親身で授業もおもしろい先生らしい。想像力があまり上手く働かない聡太にこれだけの情報で人物像をはっきりさせるのは少々無理がありそうだ。
「なあ、小山はどうよ?」
 どうかと言われても誰なのかわからないのに答えようがない。素直に誰なのか尋ねると白樺先生と返ってきた。白樺のシロと、下の名前の史郎のシロをかけて『シロちゃん』になったとのことだった。
 白樺先生……。聞いたことがあるような、ないような。
 愛称にはなるほどと納得した。けれど、どれだけ頭を回しても話題のシロちゃんに該当する人物が浮かびあがらない。
「……誰?」
 聡太の言葉に周りにいたみんなが愕然とした。この反応を見るに余程のことのようである。
「誰って……うちの担任じゃん」
 今度は聡太が驚く番だった。思わず、え、と口からこぼれる。
「本当に知らなかったの?」
 首を縦に振る。ちなみに先程まで授業をしていたのも白樺である。だからこそ白樺の話題が出てきたわけであるのだが。それだけにみんな呆れ顔だった。
「他の先生はまあいいとして……いや、よくはないけどさ、せめて担任くらいは覚えとこうぜ」
「そうする」
 ああ、そうか。あの先生はそんな名前だったっけ。
 さすがに顔は知っていたが、何せ用があるときは『先生』と呼べば済むのだから名前をしっかり聞いていなかったのだ。
 転校してから約二ヶ月が経った今日この日、聡太は初めて担任の名前を覚えた。

 あとでノートを集めてきてくれ。
 日直である聡太ともう一人とが向かうのは職員室ではなく理科室。ドアを開けると夕日が差すその静かな部屋で机に突っ伏している白樺の姿が見える。あれは寝ているに違いない。近くまで寄れば寝息が聞こえた。
「何生徒にノート運ばせといて寝てるんだよ、先生」
 声をかけられて目を覚ました白樺は半ば寝ぼけ眼でこちらをじっと、恨めしそうに見る。
「せっかくの昼寝タイムを邪魔すんなよなあ」
「シロちゃんが持って来いって言ったんでしょうが。それに今は昼じゃなくてもう夕方」
 漸く状況が掴めてきた白樺は、悪かったなと謝った。場所が理科室だったのは職員室の机の上が散乱しているからだという。片付ければいいのではないだろうか。
 聡太たちからノートを受け取り二人の分を開いてパラパラと軽く流し見る。テストの前になるとこうして生徒のノートをチェックして、抜けている箇所があれば丁寧に補足を入れて返される。白樺が生徒に好かれている理由の一つだ。
「おまえ、ここわかってないだろ?」
「えへへ、バレた?」
 白樺が手招きをして呼ぶ。一対一で簡単な個別授業が始まった。日直でノートを運んだりすればもれなく直接細かく教えてくれるというのを聞いたことがある。本当だったのか。
「小山は理系科目の成績がいいよな。好きか?」
「嫌いじゃないです」
 そう言うと、ニカッと満足そうに笑った。
「ノートはきれいにまとめてあるし、テストもちゃんと点が取れてるしな。俺はおまえみたいな奴が入ってきてくれて嬉しいよ」
 白樺が聡太の頭を乱暴に撫でた。まさしく男のものだと思わせる大きくて骨ばった手は思いの外気持ちがよくて、妙に安心する。
「ん。無理に笑ってるよかこっちのほうが好きだな、やっぱ」
 最後にポンポンと軽く叩いて頭から手をのけた白樺に聡太はポカンとする。すると白樺の言葉を聞いていたクラスメートが反応して、
「あー! シロちゃんセクハラ!」
「いろんな意味で違うわ、馬鹿!」
 何だろう、これは。
 ずっと外側から関わろうとしなかった世界に今、自分がいる。
 ――もっといろんなものを見たほうがいい。
 もしかしたら。桔平が言っていたのはこのことなのかもしれない。白樺とクラスメートが喧嘩をしているのを見ながら、ふとそう思った。
 そして、聡太が白樺の名前を知らなかったと聞かされて彼が肩を落とすのはもう少しあとのことであった。

 帰る支度を済ませ、残っているスタッフに一声かけて店を出ようとしたときだった。
「あ、小山。お疲れー」
「お疲れさまです」
 声をかけられて、しまったと思ったがもう遅い。お先に失礼しますと帰ろうとした聡太の肩を彼女はガシッと掴んだ。わざと聞こえるように聡太が舌打ちをすると、案の定、生意気だと言って頭に手刀が落とされた。
「こんなに可愛がってんのに舌打ちってどういうこと?」
 顔を覗き込んできた彼女は、聡太がアルバイト先でお世話になっている先輩の伊豆貴恵だ。何かと聡太を気にかけてくれいる。覗き込んできたおかげで見えた彼女の顔は、一見笑っているが本当は怒っているに違いない。それでも、まあいいわと肩から手を退けた。
「それより、ここに来て二ヶ月過ぎたけど。どう? 慣れた?」
「はあ、慣れるも何も」
 仕事するだけですし。
 聡太は勉強に支障が出ない程度でできるだけ多くシフトを入れている。これもひとえに布美の家にいる時間を削るためではあるが、働く時間が多くて、その上以前にも似た経験をしていたこともあり仕事を覚えるのは早かった。いつも時間があれば聡太を構っている貴恵には聞かずともわかっているだろうに。
 不思議がっていると急に貴恵が吹き出した。そして腹を抱えて笑い出す。気持ちの良いくらい豪快な彼女の笑い方は周りから好かれているが、何故今笑っているのかがわからず、聡太は怪訝そうに貴恵を見る。今の発言に笑いどころがあったとは思えない。
「いやいや。仕事ができてるのは知ってるよ。仲間とうまくやってるのか聞いたつもりだったんだけど」
「そうですか」
 ひとしきり笑って落ち着いたのかと思えば聡太の返しを聞いてまた笑い出した。本当に、どこに笑いのつぼがあるのだろう、この人は。
 少しして今度こそ落ち着いた。さすがに笑い過ぎたのか、腹が痛くなったようでさすっている。
「それにしてもさあ。よく表と裏で顔を分けるよねえ。疲れない?」
 両頬をつまんで引っ張られる。止めてくださいと抗議するも放してはくれない。
「普段から笑ったらいいのに。福が逃げてくぞー?」
 それまで貴恵にされるがままだった聡太が手を払った。自然ともう一方の手も離れていく。
「そんなの、とっくになくなってるから関係ないです……」
 じんじんとした、地味な頬の痛みを感じながら呟いた。急にしおらしくなった聡太を見て心配になった貴恵が、泣くなよと優しく頭を撫でる。泣いてませんと聡太は可愛げもなく返した。聡太の言う通り涙は見えない。けれど貴恵には泣いているように見えたのだ。
「よし、今度からお姉さんがほっぺをつまんで福を分けてやろう!」
「けっこうです」
 きっぱりと断った。

 雨の日には帰宅すると必ずタオルが玄関に用意されている。今日も濡れた体を拭いていると、おかえりなさいという布美の声が聞こえた。
 啓太はもう寝ている。アルバイトを終えて帰るのはいつもこのくらいの時間だ。
 そういえば、先月初めて給料をもらったときに布美と初めて口論になった。内容は給料を布美が受け取るか受け取らないかだった。お金が目的で働いているわけではない聡太にとって給料としてもらう金額は正直多い。だから、居候しているということもあり布美に必要な額を除いたお金を渡しておこうと思ったのだ。それを布美が拒否した。
 もらってください。もらえない。
 じりじりと。互いに目を見つめ合って数秒。布美が先に目を逸らした。ため息と共に、わかったわと折れる。一時的に預かるということだったが、もらってくれればそれでいい聡太は布美の言葉がほとんど耳に入っておらず曖昧な返事をした。
 もしかして給料をもらう度に同じやり取りをしなければならないのだろうか。そう考えると今から疲れそうだ。
 早く支度を済ませて寝てしまおうと二階へ上がると、ちょうど部屋から出てきた啓太と鉢合わせた。何を話すでもなく、過剰に驚いた啓太は再び慌てて部屋へ戻っていった。

 教室の風景がすっかり変わったと感じた。一歩踏み入れるとクラスメートの視線が自分に集中し、そしてすぐに何もなかったかのように友達との会話が再開される。中には聡太への悪口を口にする者もいたが初めてのことではないから気にならない。経過は違うものの、当初聡太が望んでいた形になっていた。……そのはずなのに、
「おはよう、小山!」
「おは、よ……?」
 声をかけられたのはどうやら自分のようで、戸惑いながらも何とか返事をする。聡太の目の前には三人のクラスメートがいた。一体何が起こったというのだ。更には三人共に頭を下げて謝ってくるものだから、いよいよ聡太の頭はパニックを起こす。
「最初はやっぱりびっくりしてさ、正直『騙された!』って感じだったんだけど」
「怒鳴ったの見て、むしろ前より人間らしさが増したというか。俺らと近いってわかったというか」
「まあ、勝手に勘違いしてたのは僕たちなんだけどね。……小山、大丈夫?」
 突然の告白に頭がついていかない。ぼーっとする。
「何で……」
「だからさ、前よりも仲良くなりてえなって思ったの」
「今のが好きだよな」
 周りが頷く。顔が、湯気の出るくらい熱くなっているような気がする。きっと耳まで真っ赤になっていることだろう。聞いていて恥ずかしい。彼らは自分が口にしている言葉に羞恥はないのだろうか。
「……そう」
「あれ、小山、照れてる?」
 からかうように言われたものだから、うるさいと返した。小さくて力のない声だった。だから笑われたのだけれど、何故だろう。不思議と嫌ではない。自分でも知らないうちに聡太も口元に笑みを携えていた。
 改めてできた友達との談笑の中、背中になんだか生温かい視線を感じて後ろを向く。予想はしていたが、やはり修と花だ。すっかり破顔したその表情は保護者のような感情からきているのかもしれない。言い方は悪いが、正直うっとうしい。
 一方で、このようにしてくれたのは間違いなく彼らだということは認めている。修や花、話しかけてくれるクラスメートが変わっているのだと思いはするが、聡太だけだと何も変わらなかったに違いない。
 両親を亡くしたショックで無愛想のままでいれば疎まれて誰も寄ってはこなかった。
 しばらくして、逆に愛想よく振る舞っていればそれなりに人が寄ってくるようにはなった。ただ、その関係は環境が変われば解消され、少しでも素を出せばたちまちに敬遠される程度のものだった。だからこそ聡太にも未練などというものがなかったのだが。
「小山くん、ご飯食べよう?」
 何気ないやり取りでさえ聡太にとっては奇妙なもので。あのときからずっと諦めていたもので。心の奥が温かくなる気がして。
 まだ全てを受け入れきれはしないだろうけれど、いつか、そんな日が来るのだろうか。
 伏せたままの両親との写真を、今日くらいは久しぶりに立ててもいい。立てられていれば気が動転してすぐさま倒していたのに、そう思えるような気分だった。
「そういえば、来週あたりから雨マークがいっぱいあったよ」
「そろそろ梅雨入りかもな」
 梅雨。雨。そうか。
「おーい、小山ー?」
 どこか遠くを見つめていた聡太の目の前で修が手を振った。記憶の中の雨の景色が一変する。現実には気持ちのいい青空が広がる。
「大丈夫か?」
「ん、何でもない」
 賑やかさの増した昼休み。若干の湿り気を帯びた風は少しぬるく感じた。
・・――サイト案内――・・
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外ではA型、家ではB型と言われます(*本当はB型)
家族に言わせれば『しゃべりだすとおもしろい』らしい
寒天と柑橘が大好きです^^
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