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<啓太>
お兄ちゃんが名前を呼んでくれた。
あれ? そういえば、話しかけられたのも初めてだったような……。もしかして、お兄ちゃんは僕のこと嫌いじゃないのかな。だって名前呼んでくれたし、色々お話しできているし、きっとそうだ。わーい!
今日の晩ご飯は、お母さんがいないから代わりにお兄ちゃんが作ってくれるって言っていた。お仕事がお休みのお兄ちゃんは学校から帰ってきて着替えると、僕と一緒に買い物に出かける。お兄ちゃんとお出かけをするのも初めてだ。
「お兄ちゃん、ご飯作れるの?」
「店でも作ってるよ」
「すごーい!」
僕が褒めるとお兄ちゃんは少し笑った。今日のオムライスがすごくすっごく楽しみ。帰ったらお兄ちゃんのお手伝い頑張るぞー!
スーパーに着いてかごを持ったお兄ちゃんと一緒に買うものを探す。お兄ちゃんはこのお店に来るのが初めてのようで、お母さんみたいに用のあるところだけ行くんじゃなくてどこにあるか探すようにぐるぐると回った。僕のほうが置いてある場所を知っているくらいだった。その途中でたまたまお菓子のコーナーを通って、僕はあるおもちゃ付きのお菓子を見つけた。前にお母さんに買ってもらったものだ。あんまりじいっと見ていたからお兄ちゃんに、欲しいの? って聞かれて思わず首をブンブン横に振る。お菓子はお母さんと約束したときにだけしか買っちゃいけないから、今日は我慢だ。
お金を払い終わって袋に買ったものを入れていると、
「買い忘れたものがあるからちょっと待っててくれる?」
かごの中身を空にして、すぐに戻るからってお兄ちゃんが言った。頷いた僕は食べ物が入った袋と椅子に座ってお兄ちゃんを待った。一人になると、さっき見たお菓子のことを思い出していた。
やっぱり欲しかったなあ。
いつも来るときには、僕が欲しがらないようにお母さんがお菓子のコーナーを通らないようにして買い物をしていた。お菓子コーナーに行くのはお菓子を買うときだけ。それを、今日はつい見ちゃったからダメなのをわかっているけど欲しくなった。数字がわかるようになってから、おもちゃ付きのお菓子が他のお菓子より高いことは知っている。同じくらいの値段のお菓子と比べても、お菓子はちょっぴりしか入っていない。だからお母さんはいつも、おもちゃが付いているのは一個だけって言うんだ。
わかっているけど欲しいなあ。でも我慢しなきゃ。でも欲しいかもしれない。いや、やっぱり我慢しないと……。
うーん、って考えているとお兄ちゃんが戻ってきた。そして、お兄ちゃんが手に持っているものを見て僕は驚いた。それに気付いたお兄ちゃんは、持っていたものの片方を僕に差し出す。欲しかったおもちゃ付きのお菓子だった。
「今日、買い物に来て手伝ってくれたからご褒美」
持っていた残りの消しゴムは服のポケットにしまって、これでよかった? って聞くお兄ちゃんに、首を今度は縦にブンブン振った。
わー! わー! すごい、買ってもらっちゃった!
おもちゃ付きのお菓子を見て僕の目がキラキラ輝く。
「ありがとう、お兄ちゃん!」
「うん、よかった」
じゃあ、帰ろうか、ってお兄ちゃんが言ってお店を出た。
「お母さんにはちゃんと言わないと駄目だよ」
「うん。じゃないと怒られちゃう」
買ってもらったお菓子を片手に、反対側はお兄ちゃんと荷物を半分こにして持って帰った。
次は袋越しにじゃなくて、お兄ちゃんと手を繋げたらいいな。
お兄ちゃんが名前を呼んでくれた。
あれ? そういえば、話しかけられたのも初めてだったような……。もしかして、お兄ちゃんは僕のこと嫌いじゃないのかな。だって名前呼んでくれたし、色々お話しできているし、きっとそうだ。わーい!
今日の晩ご飯は、お母さんがいないから代わりにお兄ちゃんが作ってくれるって言っていた。お仕事がお休みのお兄ちゃんは学校から帰ってきて着替えると、僕と一緒に買い物に出かける。お兄ちゃんとお出かけをするのも初めてだ。
「お兄ちゃん、ご飯作れるの?」
「店でも作ってるよ」
「すごーい!」
僕が褒めるとお兄ちゃんは少し笑った。今日のオムライスがすごくすっごく楽しみ。帰ったらお兄ちゃんのお手伝い頑張るぞー!
スーパーに着いてかごを持ったお兄ちゃんと一緒に買うものを探す。お兄ちゃんはこのお店に来るのが初めてのようで、お母さんみたいに用のあるところだけ行くんじゃなくてどこにあるか探すようにぐるぐると回った。僕のほうが置いてある場所を知っているくらいだった。その途中でたまたまお菓子のコーナーを通って、僕はあるおもちゃ付きのお菓子を見つけた。前にお母さんに買ってもらったものだ。あんまりじいっと見ていたからお兄ちゃんに、欲しいの? って聞かれて思わず首をブンブン横に振る。お菓子はお母さんと約束したときにだけしか買っちゃいけないから、今日は我慢だ。
お金を払い終わって袋に買ったものを入れていると、
「買い忘れたものがあるからちょっと待っててくれる?」
かごの中身を空にして、すぐに戻るからってお兄ちゃんが言った。頷いた僕は食べ物が入った袋と椅子に座ってお兄ちゃんを待った。一人になると、さっき見たお菓子のことを思い出していた。
やっぱり欲しかったなあ。
いつも来るときには、僕が欲しがらないようにお母さんがお菓子のコーナーを通らないようにして買い物をしていた。お菓子コーナーに行くのはお菓子を買うときだけ。それを、今日はつい見ちゃったからダメなのをわかっているけど欲しくなった。数字がわかるようになってから、おもちゃ付きのお菓子が他のお菓子より高いことは知っている。同じくらいの値段のお菓子と比べても、お菓子はちょっぴりしか入っていない。だからお母さんはいつも、おもちゃが付いているのは一個だけって言うんだ。
わかっているけど欲しいなあ。でも我慢しなきゃ。でも欲しいかもしれない。いや、やっぱり我慢しないと……。
うーん、って考えているとお兄ちゃんが戻ってきた。そして、お兄ちゃんが手に持っているものを見て僕は驚いた。それに気付いたお兄ちゃんは、持っていたものの片方を僕に差し出す。欲しかったおもちゃ付きのお菓子だった。
「今日、買い物に来て手伝ってくれたからご褒美」
持っていた残りの消しゴムは服のポケットにしまって、これでよかった? って聞くお兄ちゃんに、首を今度は縦にブンブン振った。
わー! わー! すごい、買ってもらっちゃった!
おもちゃ付きのお菓子を見て僕の目がキラキラ輝く。
「ありがとう、お兄ちゃん!」
「うん、よかった」
じゃあ、帰ろうか、ってお兄ちゃんが言ってお店を出た。
「お母さんにはちゃんと言わないと駄目だよ」
「うん。じゃないと怒られちゃう」
買ってもらったお菓子を片手に、反対側はお兄ちゃんと荷物を半分こにして持って帰った。
次は袋越しにじゃなくて、お兄ちゃんと手を繋げたらいいな。
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ものごとを『おもしろい』か『おもしろくない』かで分けてる“へなちょこりん”です
外ではA型、家ではB型と言われます(*本当はB型)
家族に言わせれば『しゃべりだすとおもしろい』らしい
寒天と柑橘が大好きです^^
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