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「早く、早く」
天使と悪魔は浮き足立っている。理由は、
「……まつ、り」
夏に行ったとき、よほど楽しかったらしい。祭りに行くぞと言うと大喜びだった。今も何か歌っている。
「かき氷、ヨーヨー、金魚すくい」
「……りんごあめ」
「……それ、全部ないぞ」
言った途端、天使と悪魔の動きと歌が止まり、そして、ゆっくりと由鶴のほうを向いた。なんだかとてもショックを受けているようで、車内は急に静かになってしまった。
居心地が悪くなった由鶴は何とか元気が戻るよう2人に話しかけた。
「あー、でもな、代わりにもちとかならあるぞ」
由鶴の言葉に反応した。
「もち?」
すかさず千鶴が続ける。
「うん。食べ物だったらうどんやコロッケもあるし、あと、ブローチを作るのもできるし。ほかにも楽しいことたくさんあるよ」
だんだん天使と悪魔の表情がわくわくしたものに変わっていく。
「本当か?」
「もちろん」
「……たのし、い?」
「きっと楽しいよ」
わーいと、落ち込む前の状態に戻った。由鶴ははーっとため息をついて、千鶴はにこにこしながら天使と悪魔を見た。

天使と悪魔が見てくれと由鶴に作ったブローチを持ってきた。少し不格好なそれを見てクスッと笑ってしまった。
「ほら、もちとうどん」
用意してあった椅子に座り、机に置かれたもちとうどんを食べ始める。今ここで食べているのは由鶴と天使と悪魔の3人だけ。千鶴と母さんは展示物を見に別行動をしている。
つまり今の由鶴は天使と悪魔のお守り役である。
「ごちそうさまでした」
「じゃあ、ごみをごみ箱に捨ててこい」
「はーい」
楽しそうにしている2人を見ていて、いつもしているお守りも悪いものではないかなと思った。
「次はどこに行きたいんだ?」
「お団子食べたい」
「ははっ、おまえら食べ過ぎ」
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ものごとを『おもしろい』か『おもしろくない』かで分けてる“へなちょこりん”です
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