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部屋にムーの怒鳴り声が響く。
「……おい、おまえら。もう1回聞くぞ。何のためにこっちに来たんだ?」
ムーが怒っているのに天使と悪魔の態度は変わらない。小首を傾げてまた言った。
「……さあ?」
「ばっかやろー!」
2度目のムーの怒鳴り声は1度目よりも大きかった。フーは悪魔の答えを聞いたあとからずっと固まったままだ。それなのに2人はやっぱり態度を変えずにいる。知らないものは知らないという堂々とした顔で。
「おまえらはこっちに遊びに来たんじゃないんだぞ! おまえらが羽とかうっかり落っことしてそれを探しに来たんだろうが!」
ムーの言葉に天使と悪魔、由鶴の3人は、あっと声が出た。
「しまった、すっかり忘れておった!」
「……いつ、から忘れてた、っけ?」
今更気付いた天使と悪魔は、うーん、と唸っている。これは2人なりの反省のようだ。
「早く輪と角を探さねばな!」
「……そうだ、ね」
それを聞いたフーとムーが反応した。
「……もしかしてあれから輪も角も見つかっていらっしゃらないのですか?」
「うん」
正直に答えた天使と悪魔はムーからげんこつをもらった。相当痛いらしく頭を押さえてうずくまっている。ムーが呆れてため息を吐いた。
「おまえらいい加減にしろよ……」
「このことが女神様に知られたら……」
フーとムーは想像して震えだした。女神様がとても怖いということだけはわかった。
4人がうずくまったり震えたりしているのを見ながら、由鶴は由鶴で唸っていた。天使たちみたいに反省しているわけじゃないが、さっきの会話で出てきた言葉が頭に引っかかっているからだ。
輪と角……なんかすごく最近それっぽいものを見たような気が……。
輪と角、輪と角、輪と……ん?
あれ? え? まさか!
「あーっ!」
今度は由鶴の声が部屋に響いた。その声に驚いて4人が由鶴のほうを向いた。
「何じゃ、ゆづ……」
「僕、知ってるかも」
「……だから何、を?」
「輪と角」
みんなが目を丸くした。
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家族に言わせれば『しゃべりだすとおもしろい』らしい
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