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「わーい……いたっ!」
 走り出したら途端に天使と悪魔が転んだ。初めての砂浜だったので上手く走れなかったようだ。
 天使たちは海に来ている。
「……口、砂入っ、た」
「全く、何やってるんだ。走るんなら気を付けて走れよ」
 由鶴は転んだ2人を抱えて起こした。注意されて、はーいと元気良く返事したにもかかわらずまた少し走って転んだ。後ろで由鶴が額に手を当てて溜め息をこぼしていた。
「何してるの、ゆづ兄ちゃん? 置いてくよ?」
 天使と悪魔用のうきわを持って千鶴の後を追いかけた。
 天使と悪魔は波打ちぎわで山のようなものを作っていた。幼稚園でも作ったことがあるのだろう。高くするために水をちゃんと使っている。
 しかし、山の高さが2人の背の半分くらいの高さになったところで、波によって崩された。
「あー!」
「……くず、れた……!」
 波打ちぎわで作っているのだから、もちろんその高さに至るまで波に襲われはしたのだが、この波でついに全壊。天使たちはガックリ落ち込んでいた。
「そんなところに作るから……」
「あのね、バケツもあるし、ここらへんで作ればいいんだよ。ここなら波もこないから」
 山があった場所から少し後ろに下がったところで千鶴がそう教えた。2人は急いでバケツに海水をくんで黙々と山を作り始めた。懐かしくなったのか、由鶴と千鶴も一緒になって山を作る。4人での作業だから短い時間で天使たちと同じくらいの高さの山ができた。
「わーい、できたー!」
「……次、泳ぐ」
 わー、とうきわを持って海へ走っていった。
「切り替えの早い奴らだな……」
 作った山は放ったまま楽しんだ。はじめは見ているだけだった母さんも途中で加わって5人で。
 その夜は疲れ果てて、いつもより早く眠った。

 海に入った時に、プールはダメでも海でなら浮かぶだろうと思って浮かばせてみたら、やっぱり沈んだ。なんで沈むんだろう。
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ものごとを『おもしろい』か『おもしろくない』かで分けてる“へなちょこりん”です
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