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とうとう天使と悪魔が帰るまで残り1ヶ月を切ってしまった。
「あーちゃん、花の世話をしに行くぞ!」
「……うん」
しかし、当の本人たちは元気そうに見える。見た感じがそうなだけなのかもしれないが。
「なあ、母さんとちづにはいつ言うんだ?」
由鶴は2人に尋ねた。もちろん自分たちが帰ることだ。
途端にしょんぼりと沈むが、言わないままってわけにはいかないだろと続けるとちょっとだけ頷く。
「……今日、言う」
悩んでいるのを見かねた由鶴がすぐにじゃなくてもいいんだぞと言いかけたのを悪魔が遮った。それには天使も驚いたようで、
「あーちゃん?」
「言えるのか?」
うんと頷いた悪魔は天使を説得するかのように続ける。
「……てんちゃん、どうせ、言わなきゃ、いけない。なら、ボクは今日、言う」
天使は悪魔の言い分に納得したらしく、同意した。
「そうじゃの。うん、わかった。今日言おう」
天使と悪魔は明るく笑っていたがやっぱり泣きたそうな顔だ。そんな2人の頭を由鶴は少し乱暴だったが撫でた。一瞬2人とも驚いた顔をしたが、そのあと見せた顔はちゃんと心の底からの笑顔だった。

母さんが、今日はひな祭りだからと晩ご飯はちらし寿司だった。
「あの……」
天使が話を切り出そうとするがなかなか次の言葉が出てこない。あーとかうーと言っていると母さんが優しく笑いながらどうしたのと尋ねた。すると安心した天使が、
「もうすぐ帰る」
その言葉にあらあら急ねぇと言う母さんと、それ本当? と驚く千鶴。
「いつ帰っちゃうの?」
「……末日」
寂しくなるなぁと千鶴がもらしたのを聞いた天使と悪魔は目を丸くした。
「寂しい?」
「うん、だって大好きなシロちゃんとクロちゃんが帰っちゃうんだから」
ご飯中なのにもかかわらずむぎゅうと千鶴に抱き締められた天使と悪魔に、な? と由鶴が言ってやるとわんわん泣き出した。
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ものごとを『おもしろい』か『おもしろくない』かで分けてる“へなちょこりん”です
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