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「クリスマスー!」
 天使と悪魔はわーいと言いながら部屋をぐるぐると回ると由鶴に体当たりして尋ねた。
「おまえらなぁ……」
「なぁ、ゆづ。クリスマスとはイエス・キリストの誕生を祝う日じゃろ?」
「……バース、デー」
 何を言うかと思えばそれか。
「本でそれだけ知ったんだろ?」
 聞くと2人は同時に縦に首を振った。
 天使と悪魔は物知りだけどやっぱり全て知っているわけではなくて、うどんの時もそうだけど知らないものは知らない。知らないことを何でも人に聞きたがるあたり見た目通り子供で、かわいいなと思うこともある。
「イエス・キリストは12月に生まれてないことだけは確からしいぞ」
 すごくショックを受けたようで、固まった。
「で、でも本にはそう書いてあったぞ」
 天使の言葉に悪魔もうんうんと首を振る。
「でもじゃなくて、とにかくここじゃ24日か25日にケーキ食べて子供はサンタにプレゼントもらうんだ。文句言う奴はケーキも菓子もなしだ」
 もうしゃべらないというように2人は手で口をふさいだ。

「メリークリスマス!」
 テーブルの上には母さんの作った料理が置かれている。由鶴の作ったケーキとお菓子はまだ冷蔵庫の中だ。
「シロちゃんとクロちゃんはサンタさんに何をくださいって頼んだの?」
 母さんの質問に笑いながら、
「秘密じゃ」
「……ヒミ、ツ。ちづ、は?」
「えへへ、あたしはぬいぐるみ」
 ゆづ兄ちゃんは? と聞かれて、うーんと唸ってから答えた。
「頼んでない」
「えー!」

「ねぇ、母さん。あの2人何頼んだの?」
 今は23時。天使と悪魔と千鶴はもう寝ている。
「シロちゃんとクロちゃん? お願いした紙見てみる?」
 そう言って見せてくれた紙にはこう書いてあった。
『モクとヨルと仲良く一緒に遊びたい』
 2人とも同じお願い事のようで、同じ紙に名前が2つ書かれていた。
「七夕かよ!」
 由鶴は天使と悪魔のお願い事にお腹が痛くなるまで笑い続けた。
 翌日、天使と悪魔が目を覚ますと枕もとにプレゼントが置かれていた。中身はねこじゃらしのようなおもちゃと手に乗るくらいの大きさの柔らかいボールが入っていたらしい。
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ものごとを『おもしろい』か『おもしろくない』かで分けてる“へなちょこりん”です
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家族に言わせれば『しゃべりだすとおもしろい』らしい
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