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「ニャーッ!」
「ギャーッ!」
今日も相変わらず天使たちと猫との勝負が続いていた。
たぶん後ろからそっと抱えようとしたのだろう。だがあと少しというところで気付かれ反撃された。勝ったモクとヨルは互いに違うひなたへ行き、ひなたぼっこを始めている。一方の負けた2人は由鶴のもとに歩いてきた。半泣きで。
「おまえらまだやってんのか」
「うー……ゆづー」
由鶴に頭を撫でられてついに泣き出した。
泣いている天使と悪魔を見かねた千鶴がひなたぼっこをしていたヨルを抱えて2人のそばに連れてきた。そばにいるだけだと暴れもしないのに、天使と悪魔が触ろうとした途端暴れだして床に降りてしまった。
「……なんでだろうね」
「ほんとにな」
4人分のココアを淹れて由鶴がイスに座ると天使が服の裾を引っ張った。
「わしらはモクとヨルと仲良くなれんのかの……」
どうにか泣き止んだ、嗚咽混じりの状態でゆっくり由鶴に話しかけた。やっと止まった涙がまた目に溜まる。
「……一緒、にいっぱい遊び、たい」
悪魔も嗚咽混じりで言った。
天使と悪魔だから好かれないってわけじゃないとは思うのだが。
「……なあ、おまえらモクとヨルに何かしたのか?」
黙って首を振る。
「じゃあ拾ったとき何した?」
うーんと唸りながら思い出して、
「かわいいって言って」
「……ぎゅって、した」
2人の話を聞いて頭を悩ませていた由鶴がはっとして千鶴のほうを向く。
「ちづ、ちょっとぬいぐるみ持ってきて、モクたちくらいの」

千鶴に持ってきてもらったぬいぐるみを天使と悪魔に持たせた。
「……これ、で、何する、の?」
「モクとヨルを拾ったときみたいにぎゅってしてみて」
言われるままに2人はぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。するとぬいぐるみにくしゃっとシワがよって軽くねじれた。
「きっとそれだ……」
初めに強く抱きすぎて警戒心を持たれたにちがいない。千鶴も苦笑いをしてぬいぐるみを持っている天使と悪魔を見た。当の本人たちはわけがわからないというかのようにポカンとしていた。

なんとなく原因はわかったけど、まだしばらくは天使たちが仲良く遊ぶには時間がかかりそうだ。
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