忍者ブログ
[19]  [20]  [21]  [22]  [23]  [24]  [25]  [26]  [27]  [28]  [29
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

<布美>

「ねえ、利也さん。二階の間取りのことだけど」
 声をかけると彼はわたしを向いた。今予定しているところにもう一部屋足せないものかとお願いしてみる。はじめは不思議そうな顔をしていたけれど、わたしの意図を何となく読み取ってくれたようで、
「ああ、聡太くんか」
 利也さんがあまりに穏やかに笑ってくれるものだからサラリと要求を伝えられたものの、彼の口から実際に『聡太くん』と出てしまうと、途端にとんでもないわがままを言ってしまった自覚が襲ってきてわたしは恥ずかしさで俯く。
 お義兄さんと姉さんがお墓に入ってしまってもう数年が経った。そのあとすぐわたしたち夫婦の間に生まれた啓太も幼稚園に入園するほどになったというのに。いまだに聡太くんのことが気になって仕方がなかった。
 そして時々思う。その理由は本当に聡太くんを思ってのことなのか、それとも、もしかしたら聡太くんを通してお義兄さんや姉さんを見たいのか。
 一つため息がこぼれた。
「布美はお義姉さんのことが大好きだったもんな。それから、聡太くんのことも好きだっただろう?」
「ええ、それはもちろん」
 二人が元気だった頃、家が程よい距離にあったこともあり、子供がいなかったわたしたちはそれなりの頻度で遊びに訪れていた。最初は遠慮していたけれど姉さんもお義兄さんも歓迎してくれて。わたしは姉さんとご飯を作ったり、利也さんはお義兄さんと晩酌を交わしたり。小さかった聡太くんもわたしたち夫婦になついてくれた。
 とても楽しかった。とてもお世話になった。何より一つの家族として受け入れてくれていたようで、いつも胸がいっぱいだった。だからその頃は子供が欲しいと思わなかったのかもしれない。
「僕たちがしたくてしているんだったら、それでいいんじゃないかな」
「なんだか治久さんたちにも申し訳ないような気もするというか……」
 万が一聡太くんがきても問題のない体制でいるということは、つまり今保護者となっている治久さんたちへの不信とも取られかねないわけで。そう考えると自分のしようとしていることが不安だらけでため息ばかりが出てしまう。もちろんそんなつもりは一切なくて、治久さんを信じているし、きっとこのまま彼のもとで過ごし切るのが一番に違いない。
「そうだね……。布美の気持ちもわかるよ。ただ、このままだと埒が明きそうにないなあ」
 どうしようかと投げかけてきた利也さんに、けれどわたしが解決する術を持っているわけなどなく、彼は軽く唸って考えながら、それでも表情はまるでわたしを宥めるような笑顔のまま。
 そう。彼はとても優しい人。
 暫しの思案の後、利也さんは一つ頷いた。
「うん、単純に考えよう。布美は聡太くんと暮らしたい? それとも暮らしたくない?」
「暮らしたいです」
「よし、じゃあ決まりだね。この部屋を潰して寝室を少し広めに取って……。こんな感じで相談してみようか」
 利也さんの質問に、迷うでもなくすんなり答えてしまったわたしもわたしなのだけれど。ああして聞かれてしまったら、わたしはさっきのように答えるしかないわけで。実質選択の余地がない、わたしの気持ちを自身で確定させるための振り。
「……利也さん、ずるい」
 不服な様子を見せると、これまでとは違い若干悪戯っぽく笑って、
「必要なときにはずるくもなるさ」
「……ありがとう」
 コーヒーを入れてくるよと言った利也さんは席を立ったとき、わたしの頭にポンポンと手を置いていった。
 こうしてわたしたちのお家ができたのです。

PR
こんにちはあです^^
昨日、晩ご飯作っていたら、台所の引き出しの取っ手に思い切り膝を打ち付けまして…
それはもう、見事に腫れ上がりました(´∀`;)アハハ
こうして傷が増えてゆく…
昔からそそっかしいので腕に脚にと、毎日すり傷なり切り傷なりを作ってきました
怪我がなかった日なんてないんじゃないのか、というのが怪しいほどの頻度と量
そしてけっこう傷痕が消えずに残っていたりしてるんですよねえ
膝がいちばん酷いです
つまりいちばん怪我をしていた箇所、ということなんでしょうね
気付いたらもう消えずに残ったままだった、なんて傷もちらほら
それが小学生の頃にはあったものですから…
あれ? 本当にいつの傷?? (・ω・´;)
最近は火傷の痕が目立ちますかね
火を扱ったりするのも割と恐れを知らない子だったもので、火傷もまあしょっちゅうしてました
多いのはやっぱり指ですよね
こう、熱くなったフライパンの柄の金属の部分をうっかり持っちゃって、あっつ! みたいな
指は指でも、さすがに余熱が完了したあっつあつの揚げ油の中に指突っ込んだのには自分でも軽く引きましたけどね
不思議とその瞬間は熱くなかったのがびっくり
すぐには冷やしましたけど、その後数日火傷の痛みと格闘しました…
それでですね、今年に入ってからやらかした火傷が2つほどありまして、なんと痕となって消えずに残ってますorz
右手首の内側と左手首の外側に1つずつ
フライパンの柄で火傷しました
どうやったらそんなところ火傷するんだという話ですが、一言で言えば、
横着をした結果です
実は左手首にやらかしたときに右の掌も犠牲となったのですが、そちらは何とか完治 跡形もなくという感じに消え去っています
………掌のほうが治りやすいんですかね?? 単に軽かっただけでしょうか
まあ今更傷の1つや2つや3つや4つや…と、増えたところでってな感覚ですね
おまえ本当に女かという
傷痕がなくなるという薬があるとかないとか
あれって本当に効くんです?
母親が何故か買ってきたのがうちにあるんですけど、いまだ手付かず
誰も検証してないです ほんとに、母さん何で買ってきたんさ…
そんなわけで、振り出しに戻りまして
思い切り打ち付けた膝は、その日のうちに青痣となりましたorz







珍しく2週続けておまけを落としてみました いかがでしょう!
そう、tsubakiはやればできる子なのですよ!!
じゃあやれという…ごめんなさい
おまけ1発目からほとんど出ていないキャラを使ってしまって…
詳細は13話をご覧ください!
…あれ? 合ってるかな?? ………そのあたりです!←
2話おまけの修ですが、実は彼、聡太の転校初日からお節介やらかしてました
…という裏話
え? 本編に入れとけ? それはすまぬ(・ω・`)
あ、それとですね、1話おまけについて
桔平が最後、ケーキを持ってどこへ行ったのかは、後々おまけを読んでもらえばわかるようには作っていく予定です
それでは、次回3話おまけからもお楽しみにー、です!!
<修>

 新学期から転入生が来るという情報を見事に手に入れた俺たちは、あまり大きくない学校なだけに期待をしながら始業式を待った。もちろん自分たちのクラスに来るかはわからないけど、それはもう、俺としては後輩が入ってくるよりも楽しみにしていたわけだ。
 楽しみにしていた、わけなのだけど。
「小山聡太です」
 お世辞にも明るいとはいえない雰囲気の、けれども整った顔をした転入生。
 うんうん、それからと待っているが。
 シーン、と。静かな沈黙の間。
 俺たちは小山が話すのを静かに聞こうとしていたし、小山はそれ以上話そうとしないしで余計に静まり返っていた。小山の横にいる白樺先生が笑いを堪えているのを、俺は見たぞ、しっかりと。
 その後も、一言たりとも小山の口から出ることはなく、教室には何とも言えない不思議な空気が漂っている。
「ねえ、修くん。あたし、小山くんと目が合っちゃったかも」
 きゃっ、なんて話しかけてきた花のような奴は極々まれで、大半の奴は、小山の周りにいるのも含めて様子見状態。まして話しかけているのなんて、今のところ誰も……って、マジか。
 うーん……。これはアレじゃないか。ちょっとばかし不味いような。あいつ浮いちゃうんじゃないかな。いや、もちろん物理的にではなくてね。
 少なくとも『お友達になりたい』空気じゃないことはたしかだ。戸惑いや何やらごっちゃごちゃ。
「なんだかなあ。小山くん、ぶきっちょさんかねえ」
「まあな……ん?」
 当の小山は今席を空けている状況下での花の発言。もしかして、この流れで上手いこといけたりして。
「こーんな大勢の知らない人間に一人注目されたら、そりゃ緊張くらいするかもな」
 少し声のボリュームを盛って言ってみた。これなら周りにも聞こえるに違いない。
「花ならわかるだろ?」
「なるほど! それは緊張しちゃうね! あ、だからぎこちなくて硬かったのかな」
「それならしょうがないよな。だったらやることは一つ。俺たちが歓迎ムードを出すべき!」
 打ち合わせなんてものしなくても、声も内容も、いい具合に乗ってきてくれた花と重ねに重ねる。すると、俺たちの周りにいる奴からじわじわと小山に対する警戒心が緩んでいった。
 クラス全体に染みたかなというちょうどそのとき、小山が教室に戻ってきた。瞬間、何故か広がる緊張。今までの雰囲気は一体どこへ行ってしまったというのか。さっきより幾らかましになったとは言っても、これは、振り出しに戻る、だ。俺は一気に気が抜けてため息を吐いた。
「修くん、どうかした?」
「……何でもない」
 結局その日、まともに小山と話した勇者は放課後の俺と花だけで、みんなが行動を起こしたのは次の日からとなった。
 まさか、そんな小山に人生を変えられるなんて、このときは思いもしなかった。
<桔平>

「おかえり」
 と。俺があいつに言うことも、あいつが俺に言うことも、もうないんだろうなあ。
 未成年で、十六歳で、高校生で。幼いばかりに何もできないと思っているのかもしれないが、甘いな。世の中には中学を出て働いている人間もいるというのに。
 まあ、かく言う俺も大学まで出て働いているだけにあまり偉そうなことを言えはしないが。
 それはそうと本題に戻り。働き口を探そうと思えばあるのだ。そう、例えば、
「聡太くん、うちで働いてくれればいいのに。ねえ、あなた」
「……そうだな」
 うち、とかだな。
 聡太は、仕事の覚えは早いし手際もいいし、更には俺に代わるもう一人の息子といった感じで、大変お袋のお気に入りであった。それなりに長い間世話を焼いて可愛がっていただけに、聡太が引っ越してしまったことを今でも残念がっている。
「聡太くんがうちの子だったらよかったのにねえ」
 そして実の息子はというと、うちの店とは違う仕事に就いてしまったがために、家に帰れば嫌味にしか聞こえないお袋の台詞を毎回聞かされるのだ。
 そのくらい聡太はうちに馴染んでいて、それこそ血は繋がっていないが家族のようなものだったと思う。
「それも、いいかもしれないですねえ」
 これは、俺が一度だけうちへ誘ったときの返事だ。その目も、顔も、声色も。全部、上辺だけの本心でないということしか語っていなかった。それが俺に通用するとでも思ったのだろうか。一体何年一緒にいると思ってんだ、おまえは。全く、その笑い方だって誰が教えたと……。
 とにかくあっさり振られたわけで。断り方とこれまでのあいつを見るに、たとえ就職浪人になろうがうちには絶対来ない。何か変わっただとか、余程のことがない限りは、ない。
 聡太はどうやら仕事とプライベートをきっちり分けたいようだ。仕事やその職場に和やかさや親しみやすさといったアットホームな雰囲気を求めていない。むしろ対極にある、厳しさや機械的であることを望んでいる。あくまで俺の勝手な推測ではあるが大筋間違っていないと言い切ってもいい。あいつにとっての仕事とは、自分が生きていく上での単なる手段に過ぎないのだ。
 本当に、大概捻くれていやがる。
 さて。俺は俺の仕事でもするとしよう。
 ケーキ用の箱に選んだ三つのプティガトーを入れた。保冷剤も忘れない。代金はちゃんと払っておいた。
「ちょっと、桔平。商品持ってどこに行くのよ」
「早朝宅配サービスでーす」
 お袋の声を背に、開店までには戻ると言い残して店を出た。見上げた空は青く広い。世界はこんなにも広いというのに。
 これ以上見るものなんてない。
 と。強ちあいつが言っていないではないような台詞を、自分で浮かべて口元が引きつり言葉を失う。
「……あー。くっそ腹立つ」
 と言いつつも。俺は割と穏やかに笑っていた。
こんにちはあ^^
新学期になりましたねー
そういえば今日は4月1日ということで、エイプリルフールですよ
まあ、だからといって特別吐くような嘘を持っていたり浮かんだりしないんですけど
本当に頭の中が乏しくて申し訳ない
4月馬鹿とよく言いますが、わたしの頭の中はもちろん馬鹿ですd(・ω・´)イエス

さてさて、今日は珍しくイラストをズドーンとupしますよー

         

見ての通り、誕生日カードたちです
6月の友達の分はよく見たら先に珍しく(?)upされていたので、残りの3人分ですよー
ちなみにスキャナで通したわけですが、
色がちゃんと読み込まれないorz
薄すぎるというのもあるんでしょうけど、なかなか難しいですね(・ω・`)モキュン
左がイラスト読み込みで真ん中が雑誌読み込みだった、はず←
右のは裏面に描いたおまけ
秋なので、どうしてもハロウィン描きたがるという(オイ
割と気に入っておる
         

続いて2枚目
………えー…どうして線画オンリーなのかと言いますとですね
結論からすれば友達の誕生日カードを後回しにした罰が下った、と
本当にギリギリもギリギリで完成しまして、バタバタしている中、スキャナ通して『よし、オッケー!』と思いポストへ投函、なんとか終わったと一息吐きながらUSBのデータを見てみたら

真っ白

……キャーッ! Σ(°Д°|||)ナ、ナンダッテー

下絵が残っていたのでそれにペン入れしたのが↑です
白黒だと寂しいので粗めにペイントで色を入れてみたのが真ん中です
あとオプションでちょこちょこ描いてはいましたが、2匹だけとなりました スマヌ
色はめちゃくちゃ濃いですけど、おおよそこんな配色です
右のは裏に描いたおまけくんで、表の図解です 実はこんななってました
何故かこやつだけはちゃんと読み取りデータがちゃんとしてました 何故……

    

残る最後は、なんか他のと違うと思った人、大正解
唯一メールで送る子用なので、読み込んだ後加工です
あ、でも、元の塗り方は他と一緒です 色鉛筆削ってポンポンポーンって塗りました
とりあえず、モグラってこんな…?
何を見ることもなく100%イメージだよおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
ああ、ちなみに左のが雑誌読み込みで右がイラスト読み込みでっす

2014年(ただし年度替わりまで含む)は、赤い被り物の子を通しで入れよう!
ということでやっていました、実は
全部入っているでしょう? 全部入っているでしょう?? 全部入っているのさ、これが!
いや、見ればわかるって? ソリャソウダー
小説ではなくて、こう、絵とナレーションと効果音のみが存在するような絵本? 漫画? を想定して作った生き物です
けっこう前々からいたキャラクターなんですが、如何せん描くのにバランスが難しくてですね、いまだに試行錯誤繰り返していたりします
大雑把にはこんなですけどね
この子も色々とネタっぽい設定考えていたりします あれやらこれやらです←
こんなのも作っていました→   

そんなわけで、ここいらで今回は締めようかと んじゃらば (・ω・)ノシ
&lt;&lt; 前のページ 次のページ &gt;&gt;
・・――サイト案内――・・
                                日記・イラスト・小説を更新していくブログです                               HNの表記は、ひらがなでも、カタカナでも、漢字でも、アルファベットでも何でもよいです                                ほのぼの・ほっこりした小説を目指してます                                 絵に関してはイラストというより落書きが多いかも…                                                      と、とにもかくにも、ポジティブなのかネガティブなのかわからないtsubakiがお送りします
最新コメント
[04/08 つねさん]
[12/10 クレスチアン」]
[03/18 りーん]
[09/30 弥生]
[08/08 クレスチアン]
ポチッと押してみようか
blogram投票ボタン
プロフィール
HN:
tsubaki
性別:
女性
自己紹介:
ものごとを『おもしろい』か『おもしろくない』かで分けてる“へなちょこりん”です
外ではA型、家ではB型と言われます(*本当はB型)
家族に言わせれば『しゃべりだすとおもしろい』らしい
寒天と柑橘が大好きです^^
フリーエリア
ブログ内検索
バーコード
アクセス解析
忍者ブログ [PR]
Template designed by YURI