忍者ブログ
[248]  [247]  [246]  [245]  [244]  [243]  [242]  [241]  [240]  [239]  [238
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「……どうしよう」

「……」

雲の上、2人の少女は困っていた。『あるもの』をうっかり雲の下に落としてしまったのだ。

2人は何か思い付いたのか歩き出した。



今日はいつもと変わらない。何も変わらない休日……のはずだったんだ。

「ちづ、いい加減に退いてくれよ」

「えー」

「えー、じゃない。あとで遊んでやるから今は退いてくれ」

ようやく妹が部屋を出ていってくれたので由鶴はベッドに身を投げた。

(あとで遊ぶとか言っちゃったけど、どうするかなぁ……)

中学2年生になった妹が未だに慕ってくれているのは嫌ではなかった。むしろ喜ばしいことだ。だが、たまには1人でゆっくりしたいときもある。

由鶴は何かを思い出したように起き上がった。机に向かってノートの表紙に『苦手』と書き、中に線を引き始めようとしたときだった。ドスン、という音がして、驚いた由鶴が後ろを振り向けば、そこには5歳くらいの、よく似た少女が2人うつぶせに転がっていた。

「いたたた……」

「……てんちゃん痛い」

「おお、すまん、あーちゃん」

見れば見るほど2人はそっくりで、違うところは服の色と目が垂れているか垂れていないかくらいだ。

「は?」

1人だけ状況把握ができない由鶴。そんな由鶴はお構いなしに2人は由鶴のことをじろじろと見ている。

「あーちゃん、人間じゃ」

「……コクン」

「……うわーっ!」

思わず大声が出る。椅子から滑り落ちた。背中が痛い。

1度深呼吸をして尋ねた。

「おまえたちは誰だ?」

2人は互いを向き合って首を左に傾けてから答えた。

「……悪魔と」

「天使じゃ」

……俺は夢でも見ているのだろうか……。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
・・――サイト案内――・・
                                日記・イラスト・小説を更新していくブログです                               HNの表記は、ひらがなでも、カタカナでも、漢字でも、アルファベットでも何でもよいです                                ほのぼの・ほっこりした小説を目指してます                                 絵に関してはイラストというより落書きが多いかも…                                                      と、とにもかくにも、ポジティブなのかネガティブなのかわからないtsubakiがお送りします
最新コメント
[04/08 つねさん]
[12/10 クレスチアン」]
[03/18 りーん]
[09/30 弥生]
[08/08 クレスチアン]
ポチッと押してみようか
blogram投票ボタン
プロフィール
HN:
tsubaki
性別:
女性
自己紹介:
ものごとを『おもしろい』か『おもしろくない』かで分けてる“へなちょこりん”です
外ではA型、家ではB型と言われます(*本当はB型)
家族に言わせれば『しゃべりだすとおもしろい』らしい
寒天と柑橘が大好きです^^
フリーエリア
ブログ内検索
バーコード
アクセス解析
忍者ブログ [PR]
Template designed by YURI